”韻を踏む”というフレーズを聞いたことがある方は多いと思いますが、”韻を踏む”とはどういうことか、明確に説明できる人は少ないようです。
僕自身、テレビや音楽番組でよく聞いたりする言葉なので知っていはいますが、実際に説明しろと言われると、「ううう」と詰まってしまいます。
そこで今回は、”韻を踏む”というフレーズの明確な意味に迫りたいと思います。また韻を踏む方法にも種類があるようなので、その方法と例文も合わせてご紹介したいと思います。
韻を踏むの意味を明確に知ろう
まずは韻を踏むの意味を辞書で調べてみましょう。辞書には、
同韻の字を詩句の特定の場所に用いる。韻を押す。
なんだかさらに難しくなった気がしますね。韻を踏むの意味を知りたいのに、詩句や韻を押すと言った余計難しそうな言葉やフレーズが出てきています。
簡単な言葉を難しく紹介するのが辞書の特徴ですからね。まあしょうがないでしょう。韻を踏むの辞書的な解説はひとまず置いておいて、とっても簡単に意味を理解しようとすると、
韻を踏むの意味はズバリ、
同じ音を持つ言葉やフレーズをつなげて、リズミカルに話す。
ということでしょう。例えば、「ケインコスギはマユゲコスギ」
ケインコスギの”コスギ”とマユゲコスギ”コスギ”が同じ音です。なのでこれを韻を踏むと言います。
韻の踏み方は色々。4つの韻を知ろう!!
韻の踏み方には大きく分けて4つあります。
1.最後で韻を踏む【脚韻】
先ほど紹介した「ケインコスギのマユゲコスギ」が脚韻です。ケインコスギもマユゲコスギもどちらも単語の後ろの部分で韻を踏んでいます。ラップとかで使われるのは、この脚韻ですね。
2.最初で韻を踏む【頭韻】
単語やフレーズの最後の部分で韻を踏むことがあれば、最初の部分で韻を踏むこともあります。これを頭韻と呼びます。日本語では
「勝って兜の緒を締めよ」
勝っての”か”と兜の”か”が韻を踏んでいます。日本語ではそこまで使われない頭韻ですが、英語ではたくさん使われています。というか英語は隙あらば頭韻を使おうとします。
- Big Ben
- Coca-Cola
- do or die
- Intel Inside
Intel Insideは「インテル入ってる」と日本語には訳されていますよね。頭韻を使ったキャッチコピーですが、日本語に訳すとニュアンスが伝わりずらいですね。”トゥン、トゥトゥトゥン”の効果音の方がどちらかと印象的です。
[訂正]
「インテル入ってる」はIntel Insideを和訳したものと見せかけて実は、Intel Insideが日本語の「インテル入ってる」を英訳したキャッチコピーだそうです。(コメントで教えて頂きありがとうございます。)
日本語だと「インテル入ってる」と脚韻だったので、英語になると「Interl Inside」と頭韻になっていてどちらでも韻を踏んでいて、言葉のセンスをビシビシ感じます。
3.母音で韻を踏む【母韻】
母音というのは、”a”,”i”,”u”,”e”,”o”の音のことです。逆にこれ以外の”b”,”c”,”d”,”f”といった音は子音と呼ばれます。5つの母音で韻を踏むことを母韻と言います。
例えば、
Do you like blue??
どこか韻を踏んでいるかわかりますか。見ただけでは少しわかりづらいと思うので、ぜひ口に出して言ってみてくださいね。
いかがですか? なんとなく”Do”,”you”,”blue”がリズミカルになっていませんか。この場合、o/ou/ueの母音で韻を踏んでいます。頭韻と同様に英語では多く見られる母韻ですが、日本語ではそこまで見られません。
その理由は日本語のひらがなが基本的に子音+母音のセットで音を作っているからです。母音で韻を踏もうとしても、子音が紛れ込んでしまうため、母韻にならないで頭韻や脚韻になることが多いわけです。
4.子韻
母音で韻を踏むのが母韻でした。逆に子音で韻を踏むと子韻です。例として、
fire fight
気を付けよう!同じ言葉では韻を踏めない
4つの韻の踏み方を紹介しました。色んな韻の踏み方があるので、ぜひ電車のつり革広告やテレビCMのキャッチコピーに韻を踏んだセリフがないか調べてみてくださいね。以外なところで韻を踏んでいるセリフがみつかるかもしれませんよ。
ただ1つだけ注意しておきたいことがあります。それは、同じ音を持つ言葉でも韻を踏んでいない場合もあります。どういう時でしょう。
全く同じ言葉を繰り返しても韻を踏んでいるとは言えません。例えば、AKB48のヘビーローテーションの歌詞で、
I love you, I want you, I need you 頭の中ガン・・
というフレーズがあって、”I love”も”I want you”も”I need you”もすべて最後の”you”が同じ音なので、韻を踏んでいるように見えるかもしれません。でもこの場合、”you”は1つの単語で、3つともすべて同じ単語なので、韻を踏んでいるとは言えません。
違う単語やフレーズで部分的に同じ音を探すことが韻を踏むということなんですね。
まとめ
ラップやヒップホップの流行と共に、なんとなく広まった”韻を踏む”というフレーズ。最近では音楽番組だけでなく、コメディ番組でも使われていますよね。
実際に調べてみると意外と奥が深く、また韻の踏み方にもたくさんの種類があることがわかりました。友人や家族との会話でもたまんい韻を踏んでみるのもいいかもしれませんね。
おやじギャグだと言われない程度に笑
はじめまして。24日に哲学の道にて蛍鑑賞をしようと検索していましたらあなた様の記事に辿り着きました。私も自社仏閣巡りしています。先日は安倍晴明神社と崇徳天皇の神社を巡りました。いろいろと教えて頂きながらですが、背景にあるもののお話は面白いなぁと思います(^^)京都の街並みは本当に秀逸です。これからも興味深いお話楽しみにしていますね♪就活頑張ってくださいませませ(^^)
はじめまして。
5月の終わりごろに様子を見に行ったところすでに何匹か飛んでいました^^
今年は多いのかもわかりません・・・
崇徳天皇と安倍晴明神社、霊験の世界ですね!
私はそちらはまだまだ勉強中ですが、背景にあるお話は面白いと思います。
ぜひ今後も京都巡りのお話を聞かせてくださいませ^^
買って ? 勝って?
ご指摘ありがとうございます。
修正しました。
インテル入ってるは英語で頭韻だったものを脚韻で和訳するというセンスが良いですよね。
コメントありがとうございます。
そうですね! 韻を踏むとすっと頭に入ってきます。
凄いわかりやすかったです。やっと意味がわかりました。
ありがとうございました。
韻が今ひとつわからないな〜と思いながらの朝ごはん中。。
パララ〜〜っと明快に理解できました♬
引き続きよろしくお願いいたします
興味深く読ませていただきました。
因みに「インテル入ってる」については、翻訳の因果関係が逆です。
インテル日本法人が使っていたコピー「インテル入ってる」を、米国本社が「Intel Inside」と英訳、世界へ向けて展開したそうですよ。
そうだったんですね、ご指摘ありがとうございます。
日本語でも英語でも韻を踏んでいて楽しいですね。