「ご承知おきください」といった言葉は仕事をしていると日常的に耳にしますよね。
でも実は「ご承知おきください」という言葉は目上の人には失礼な言葉になることをご存じでしょうか??
そこで「ご承知おきください」が目上の人に失礼になる理由や、その意味や言い換え表現についてお伝えします。
目次
ご承知おきくださいの意味は?
ご承知おきくださいが目上の人にとって失礼な言葉かどうか確認する前に、まずはご承知おきくださいの「承知」の意味を確認しておきましょう。
「承知(しょうち)」は日常でよく使ったり、目にしたりする言葉です。いったいどんな意味の言葉なのでしょうか??
辞書によると、「承知」の意味はつぎのとおりです。
1.事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。
⇒「無理を―でお願いする」
2.依頼・要求などを聞き入れること。承諾。
⇒「申し出の件、確かに―した」
3.相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。
⇒「この次からは―しないぞ」
「承知」は漢字だけ見ると「承って知る」という意味ですね。上で紹介した意味も、およそ漢字の通りの意味ではないでしょうか??
承るとは、「受ける」の謙譲語で、謹んで受けるとか、「いただく」といった意味になります。つまり、「承知」は謙譲語を含んだ言葉なのですね。
ご承知おきくださいは目上の人には失礼?
「承知」という言葉に謙譲語が含まれているので、目上の人に使うのは失礼だという意見もあります。
普段はあまり意識しないので、目上の人にも「ご承知おきください」と言う方は多いのではないでしょうか??
かくいう私もそうです。
「プリンターが現在壊れています。ご承知おきください。」
「書類の締め切りは今月中です。ご承知おきください。」
などなど・・・
特に違和感なく使っていました^^:
繰り返しになりますが、なぜご承知おきくださいが目上の人に失礼になるのかというと、「承」が謙譲語だからです。
謙譲語とは、動作の主体を低め、客体(動作を受ける側)に敬意を表す言葉です。
「ご承知おきください」というフレーズは動作の主体や客体(動作を受ける側)がわかりづらいですが、主語を補うとわかりやすいと思います。
「承知」という言葉は何かを知るということです。上司に対して「ご承知おきください」と言ったら、ご承知するのは上司です。
主語を補うと・・・・
「(上司であるあなたが)ご承知おきください。」
となります。
こうして主語を補うと、目上の人には失礼なのかなと感じますね。部下である私に対して、
「敬意を払って、知っておいてくださいね・・・」
そういった意味にもなりかねません笑
また、ご承知おきくださいの「ご承知」も問題です。すでに「承知」という言葉に謙譲語があるため、「ご」をつけることで謙譲の二重敬語になります。
なので、「ご承知おきください」は日本語としても正しくないわけです。
ただ、実際には仕事で多くの人が「ご承知おきください」と言う言葉を使っています。上司、部下関係なく使っているのが実情だと思います。
ら抜き言葉やレストランでよく聞く「~円からでよろしかったでしょうか」といった言葉は注意しないといけませんが、「ご承知おきください」についてはあまり神経質にならなくてもいいと思います。
ただ、それでも気になるという場合は「ご承知おきください」の言い換え表現を知っておくと便利です。
「ご承知おきください」とほぼ同じ意味で失礼ではない言葉もあります。
ご承知おきくださいの言い換えは?
「ご承知おきください」とほぼ同じ意味で目上の人にも使える言葉は2つです。
- お含みおきください
- 何卒お願い致します。
ご承知おきくださいの言い換え1:「お含みおきください」
例えば、上司に職場のプリンターが故障していることをを伝える場合。
「プリンターは故障しています。14時まで使えませんので、ご承知おきください」
という文章を、「お含みおきください」を使って言い換えると、
「プリンターが故障しています。14時まで使えませんので、お含みおきください」
となります。
ご承知おきくださいの言い換え2:「何卒お願い致します。」
例えば、上司に見積書について、
「見積書をメールに添付いたしましたので、ご承知おきください」
といった文章を、
「見積書をメールに添付いたしましたので、何卒お願い致します。」
と言い換えると、謙譲語を使わずに表現できます。
以上、「ご承知おきください」の意味や言い換えについてお伝えしました。
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