連用中止法と聞いてピンと来ない人が多いのではないでしょうか?
今日はこの「連用中止法」の意味や例をわかりやすく紹介したいと思います。
なんだか難しそうな言葉ですが、意味や例を知ってしまえば簡単ですよ。
「連用中止法」とは
「連用中止法(れんようちゅうしほう)」とは、
①「よく食べ、よく眠る。」
②「学校へ行き、 先生に会う。 」
の様に連用形で文を区切って次につなげていく用法の事です。
①の場合「食べ」の部分を指し、この「食べ」は動詞で「食べる」の連用形となるわけです。通常、連用形は他の語と接続して「食べ・ます」や「食べ・て」などと使われますが、ここでは「食べ」のままで他の語と接続する事がなく、一度叙述を中止して後につなげています。
」
※「叙述(じょじゅつ)」→物事の有様を順を追って書き、述べる事。その述べたもの。
②では「行き」の部分を指し、この「行き」は動詞で「行く」の連用形となります。
以上、上記の様な用法が連用中止法です。
もっと分かりやすく説明する為に、「連用形」と「中止法」を改めて考えてみたいと思います。
連用中止法の連用形とは
「連用形(れんようけい)」
用語に連なる際の形。国文法で用言・助動詞の活用形とされています。六活用形(①未然形②連用形③終始形④連体形⑤已然形⑥命令形)のうち第②番目に置かれています。「白く光る」における「白く」の様に、下の用言に続くときに使われる形です。
他には、「山青く、水清し」の「青く」のように文をいったん中止したり、「休み」「遠く」のように名詞に転用する際に用いられます。
尚、動詞の場合に文語では助動詞「き・けり・たり」など、口語では助動詞「た」などに接続する場合があります。又、文語の四段・ナ変・ラ変の動詞や口語の五段動詞には、本来の形の他に音便の形があり、形容詞には本来の形の他に音便やカリ活用の形もあるとされています。
例)文語の四段
ナ行変格活用 未然形-(死)な ラ行変格活用 未然形-(切)ら カリ活用 未然形-(多し)から
連用形- に 連用形- り 連用形- かり
終止形- ぬ 終止形- る 終止形- かり
連体形- ぬ 連体形- る 連体形- かる
已然形- ね 已然形- れ 已然形- かれ
命令形- ね 命令形- れ 命令形- かれ
連用中止法の中止法とは
「中止法(ちゅうしほう)」
述語である用語の連用形を用いて、文を言いさしにする表現を言います。
「昼働き、夜学ぶ」の「働き」
「冬暖かく、夏涼しい」の「暖かく」
などのように述語となっている用言を連用形によっていったん切って、あとへ続ける方法です。もう少し説明すると文をいったん中止して、また次に続ける言い方です。
「日が沈み、月が昇る」「空は青く、水は清い」などの「沈み」や「青く」をここでは指します。
「論文の書き方」と言う本によると、 連用中止法を文章中に用いる事で、
①中止法をはさむ前と後とで、主語がすりかわる事がある。
②長文になって、文章の照応がねじれてしまう。
③一文に沢山の項目を詰め込んで文意が通りにくくなる。
以上の様な危険が生じるとされています。
また、連用中止法には連用形活用語尾の後ろに読点またはコンマが来るものと、読点もコンマもこないものがある様です。
では日常生活の中で使われる「連用中止法」はどんなものがあるのでしょうか?
「連用中止法」生活の中の例
インターネットで何かを登録したり、購入したりする際の決まり文句で「同意しクリック」という言葉を見かけたことはありませんか?
「同意しクリック」の「同意し」は「同意する」の連用形となります。
これは連用中止法ゆえ「同意し、クリック(して下さい。)」と読点を打つのが本来であれば適切とされるものです。もしも読点を打たない文章を好む場合は「同意してクリック(して下さい。)」と接続助詞の「て」を入れる事になります。
連用中止法とは(動詞の)連用形で一旦文を止め、それから更に文を繋げる方法であると上記でも説明してきました。本来は文を繋げるのに接続語が必要であり、その接続語が省略されているという解釈も可能です。
又、連用形の「中止法」では「読点」を打ち、文の終わりには「句点(。)」を入れることでより分かりやすく伝えることが出来ると
考えられるでしょう。
以上、連用中止法の意味や例を紹介しました。
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ご説明してくださって、ありがとうございます。
私は現在、大学の日本語学科に通っておりますが、日本語の「連用中止形」について研究しているんで、参考文献とかあれば、教えていただけませんでしょうか。
コメントありがとうございます。
こちらの記事はかなり前に書いた記事なので参考文献を思い出せませんm(_ _)m
日本学科に通ってらっしゃるということは留学生か日本語の先生になる方でしょうか。
参考文献を思い出したらまた連絡させていただきますね。