五月雨ですみません・・・
という言葉を聞いたことがありますか? 仕事をしていると「五月雨ですみません」という言葉を聞く方も多いと思います。
もしかしたらすでに使っている方もいるかもしれませんね。しかし、最初に聞いた時は何のことかと思いますよね。
そこで今回は「五月雨ですみません」の意味や使い方について紹介します。
「五月雨ですみません。」ってどこで使う言葉?どんな意味?
社会に出ると、学生の頃よりもずっと多くの言葉を知ることになります。
これは私の知り合いのお話ですが、仕事で五月雨式ですみませんという言葉を初めて聞いて戸惑ったそうです。
その方はとある業者へ、別々の内容の複数の仕事を発注しようとしていました。しかし、発注をかける前に、業者からその仕事に一体いくらかかるのか見積書をもらう必要がありました。
仕事の内容がそれぞれ違う為、「それぞれの内容で見積書で送付してください。仕事の竣工時期が決まっているので、お早めに作成して頂きたいです。」とメールを送り、その数日後業者の方が、見積書を届けに来てくれました。見積書を渡された際に、その業者の方が、
「今、他所からの依頼もあって、まとめて作る時間がありませんでした。見積書なんですけど、五月雨式になっちゃいそうです。すいません。」
と、言われたそうです。
その時、知り合いの脳内は、「五月雨式…ってなんだ?なぜ今謝られたんだ??」ということで頭がいっぱいでしたが、普段お話ししない業者の方に聞くのも恥ずかしかった為、
「あははぁ、承知です。」
なんて言って微妙な愛想笑いをしたそうです。
結局、「五月雨式ですいません。」とはどうゆう意味なのでしょう?
「五月雨式ですみません。」を調べてみた!
普段何気なく使っている方もいるとは思いますが、まずは、「五月雨式」という言葉の意味を、確認してみました。
意味1:成果物や連絡を一度に送らず、何回かに分けて送ること。
意味2:だらだらと、いつまでも終わらない様子。
という意味だそうです。その「五月雨式」に「すみません。」をつけることで、何回かに分けてしまったこと、又は、いつまでたっも終わらない状態をを謝っている、という意味になります。
なぜ、「五月雨」という言葉を使うのだろう?その由来は?
なぜ、「五月雨」という言葉を使うのか、それは「五月雨」という言葉の意味に関わってきます。
そこで、今回は更に、五月雨について調べました。おもた~い辞書をぱらっとめくったところ。
・陰暦(旧暦)5月頃に降る雨のこと。梅雨とも呼ばれる。
・だらだらと、いつまでも続く様子の例え。
・「さつきあめ」とも読む。
という意味でした。
すでに、「五月雨」の中に、だらだらと続く様子という意味が含まれていたようですね。
そして、梅雨という言葉が出てきましたが、梅雨と言えば、6月に降る長雨のことです。なぜ「五月」雨なのでしょう?
それには、旧歴と新歴が関わってきます。
日本では、明治5年12月2日まで、「天保歴」と呼ばれる暦(こよみ)を使っていました。この天保歴では、現在の「グレゴリオ暦」と約1ヵ月の時差があったため、旧歴での「5月」は、現在の「6月」となりました。
その為、旧暦では5月に梅雨が降っていたのです。なので、「五月雨」という漢字が使われるのですね。
余談ですが、この旧歴と新歴の切り替えは、官吏(かんり)への給料を年12回に調整する為だと言われています。明治6年には、閏6月があり、一年間で13回給料を支払うことになりかねませんでした。
それを明治政府が、グレゴリオ暦を導入することで、年12回に調整したらしいのです。私が当時の労働者だったなら、
「お、来年は、閏月があるじゃないか。これってもしかして1回多く給料がもらえるんじゃないかな?わくわく。」
と、思っていたことでしょう。
どんな時に使う言葉なの?
意味は、先ほど書いた通り、複数に分けて提出する時や、いつまでも終わらない様子を表します。
この言葉を使う時は基本的に、クライアントへの提出物を小出しにしなければならなかったり、何度も修正して提出してしまった時に使う為、あまり良いイメージの言葉では、ありません。
しかし、自分が何を謝っているのか端的に表せる良い言葉だと思います。
逆に、クライアントが使う場合は、「できたものから五月雨式に提出してほしい。」という形で使われることが多く、それはつまり、納期や竣工が近いため、できたものから確認したいという意味であることが多いように感じます。
しかし、その人の仕事のスタイルが「五月雨式」に確認するという方であれば、納期が迫っているといったような緊迫感のある意味ではなくなります。重要なのは、急いでいるのかどうかをクライアントへ確認する一言だと、私は、思います。
以上、五月雨ですみませんの意味や使い方を確認しました。
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